神に選ばれなかった者達 前編

翌日から、段々と時間をかけて。

ふぁにに対するいじめは、自然消滅していった。

いじめが、大人の介入なしに自然消滅するなんて、大変珍しいことである。

だが、いじめっ子達の方も、ただ小学生の頃の成り行きで、特に理由なくふぁにをいじめているだけだったから。

それに、小学校の時と違って、部活や学業が段々と忙しくなってきて。

そんな無駄なこと、そんなつまんないことをする暇と余裕がなくなった、という理由もあるのだろう。

それにほら、最近のいじめって、ネットやSNSでのいじめが多いんだろ?

チャットアプリで悪口言いまくったり、あることないこと騒ぎ立てたり。

しかし残念だったな。

ふぁに、旧世代のガラケーしか持ってないから。 

SNSなんて、当然一切やっていない。

あの携帯、SNSどころか、最低限の通話機能しかついてないから。

メールすら出来ない。

いくらネット上で自分の悪口を拡散されようと、それを目にする機会が一切なければ、ノーダメージも同然。

好きに、勝手にやってくれ。

それに何より、いじめっ子達は、ふぁにの態度の豹変に戸惑っていた。

突然ふぁにが、人が変わったように性格が変わってしまったから。

って、実際人格が変わってるから、人が変わってるのも同然なんだが。

ほたるはどうだったか知らないけど、ふぁには中坊ごときの、つまんないいじめには屈しなかった。

こればかりは、性格の違いとしか言いようがない。

これでも、入れ替わって最初の頃は、結構面倒臭かったんだぜ?

朝学校に行ったら、机の上に枯れた花を入れた花瓶が置いてあったことがあった。

仕方ないから、枯れた花は捨てて、花瓶は勿体なかったから、外でスミレを積んできて、教室の後ろのロッカーの上に活けておいてあげた。

いじめっ子に、机の中に『キモww』みたいな悪口を書いたメモ用紙を入れられたから。

そのメモ用紙に、『お前もな』と書いて、いじめっ子の机に貼り付けておいてやった。

授業中に、背中に丸めたくしゃくしゃの紙を、ボールのように投げられたこともあったな。

その時は、消しカスを丸めて投げ返しておいた。

ロッカーの中を、ぐっしょりと水浸しにされた時もあった。

雑巾洗った水の入ったバケツを、いじめっ子のロッカーにぶち撒けておいてやった。

すれ違いざまに「カス」とか「クズ」とか煽られた時は。

「お前は中学生にもなってそんな語彙力(ry」と説教してやった。

足を引っ掛けて転ばされた時は、さすがにムカついたので。

満杯のゴミ箱をそいつの脳天からひっくり返して、「あ、ごめん手が滑っちゃった」って、テヘペロしておいた。

…え?やり過ぎ?

中坊にもなって、つまんないいじめなんかする奴には、当然の報いってもんだろう。

目には目を、歯には歯を、って偉い人も言ってただろ?