…それから、もう一つ。
「ふぁにの…じゃなくて、ほたるの鞄の中に、『死ね』の手紙を入れたのもあんたさんか?」
雨に濡れて、くっちゃくちゃになってたけど。
「は、はぁ?」
「おいしらばっくれんな。怒んないから言ってみろ」
お母さんや先生の常套句。「怒らないから言ってみなさい」。
この言葉は、「行けたら行くわ」並みに信憑性に欠ける。
「そ…それが何だって言うんだよ」
…やっぱりあんたなのか。
ったく情けない…。情けない奴は語彙力まで情けないんだな。
「あのな…。あんたさん、子供じゃないんだからさ…」
いや、中学生は充分子供なんだけどな。
でも、生後数日のふぁににとっては、中学生は大人だよ。
「言いたいことがあるなら、言葉ではっきりそう言えよ。な?つまんない手紙にしてないで。いくらでも聞いてやるから」
ふぁには、いじめっ子の肩にぽん、と手を当てて言った。
いじめっ子、ポカン。
生まれて十年以上経って、鍛えたのはその間抜けヅラだけか?
「大体、人様に向かって『死ね』なんて、何様だ?そこはちゃんと、『申し訳ありませんがお亡くなりになってくれませんか?』って言えよ」
何で命令形なんだよ。失礼だろ。
親しき仲にも礼儀あり、って言うだろ?…親しくないけども。
むしろ、親しくないからこそ、言葉遣いは丁寧に。
人付き合いの基本ってものだろう。
「生まれて数日のふぁにに説教されてたんじゃ情けないぞ。な?今度からは、もっと語彙力を磨いてだな…」
「な、何だよお前?突然…そんな、別人みたいに」
別人だからな。
あんたがいじめてたのはほたるだろ。ふぁには関係無い。
「き、気持ち悪い…」
心底、奇妙なものでも見るかのような眼差しで、こちらを見て。
いじめっ子は、逃げるようにそそくさと立ち去った。
…。
…逃げられた。
「…気持ち悪い、か…」
ふぁには所謂…多重人格者ってことになるんだよな。
まぁ…もう一つの人格であるほたるは、身体の奥深くで眠ったまま、一向に起きてくる気配がないんだが…。
それでも、この身体の中に、複数の人格が宿っていることは事実だ。
ふぁには生まれた時からこの状態だから、ちっともおかしいとはおもわないけど…。
…知らない人から見たら、きっとふぁには「気持ち悪い」んだろうな。
妹尾家の人々も。
今、この身体の中に宿っているのが、ほたるじゃなくてふぁにだと知ったら。
きっと、同じことを言うのだろう。
「ふぁにの…じゃなくて、ほたるの鞄の中に、『死ね』の手紙を入れたのもあんたさんか?」
雨に濡れて、くっちゃくちゃになってたけど。
「は、はぁ?」
「おいしらばっくれんな。怒んないから言ってみろ」
お母さんや先生の常套句。「怒らないから言ってみなさい」。
この言葉は、「行けたら行くわ」並みに信憑性に欠ける。
「そ…それが何だって言うんだよ」
…やっぱりあんたなのか。
ったく情けない…。情けない奴は語彙力まで情けないんだな。
「あのな…。あんたさん、子供じゃないんだからさ…」
いや、中学生は充分子供なんだけどな。
でも、生後数日のふぁににとっては、中学生は大人だよ。
「言いたいことがあるなら、言葉ではっきりそう言えよ。な?つまんない手紙にしてないで。いくらでも聞いてやるから」
ふぁには、いじめっ子の肩にぽん、と手を当てて言った。
いじめっ子、ポカン。
生まれて十年以上経って、鍛えたのはその間抜けヅラだけか?
「大体、人様に向かって『死ね』なんて、何様だ?そこはちゃんと、『申し訳ありませんがお亡くなりになってくれませんか?』って言えよ」
何で命令形なんだよ。失礼だろ。
親しき仲にも礼儀あり、って言うだろ?…親しくないけども。
むしろ、親しくないからこそ、言葉遣いは丁寧に。
人付き合いの基本ってものだろう。
「生まれて数日のふぁにに説教されてたんじゃ情けないぞ。な?今度からは、もっと語彙力を磨いてだな…」
「な、何だよお前?突然…そんな、別人みたいに」
別人だからな。
あんたがいじめてたのはほたるだろ。ふぁには関係無い。
「き、気持ち悪い…」
心底、奇妙なものでも見るかのような眼差しで、こちらを見て。
いじめっ子は、逃げるようにそそくさと立ち去った。
…。
…逃げられた。
「…気持ち悪い、か…」
ふぁには所謂…多重人格者ってことになるんだよな。
まぁ…もう一つの人格であるほたるは、身体の奥深くで眠ったまま、一向に起きてくる気配がないんだが…。
それでも、この身体の中に、複数の人格が宿っていることは事実だ。
ふぁには生まれた時からこの状態だから、ちっともおかしいとはおもわないけど…。
…知らない人から見たら、きっとふぁには「気持ち悪い」んだろうな。
妹尾家の人々も。
今、この身体の中に宿っているのが、ほたるじゃなくてふぁにだと知ったら。
きっと、同じことを言うのだろう。


