神に選ばれなかった者達 前編

「…ともあれ…その、このままじゃ良くないと思うんだ」

「…」

眞沙は、ろくに答えない俺に一方的に喋り続けた。

「病院…とか、行った方が良いんじゃないのかな」

「…病院…」

「うん。そうすべきだよ」

…その発想はなかった。

病院…この悪夢について相談する為に。

果たして、それで何とかなるのだろうか。

でも…俺も正直、このままではいけないと感じていた。

この行き詰まった状況を、どうにかしなければならないと。

その為には、自分以外の誰かに…頼らざるを得ない、のかもしれない。

「もし、一人で行きにくかったら…俺も付き合うよ」

眞沙は、親切にもそう言ってくれたが。

…眞沙には、あまり知られたくない。

と言うか、出来るだけ他人には知られたくなかった。

「…いや、一人で大丈夫だ」

「…響也兄ちゃん…」

「…心配させて済まない。…一人で行ってくる」

「…そっか。分かった…。…元気になると良いな、響也兄ちゃん」

俺もそうなることを祈ってるよ。

…果たして、俺はまだ…外に出られるだろうか?