神に選ばれなかった者達 前編

…その時、僕は。

人の視線を感じて、顔を上げた。

そこには、僕達をじっと見つめる、黒い男がいた。

…誰、なんだろう。

全身真っ黒の衣装を着て、それなのに左胸につけている花のブローチだけが青かった。

その姿は、まるで闇に溶ける死神のように見えた。

「…子供を売りたいと言うから、わざわざ来てみれば」

その死神が、ぽつりと呟いた。

…え?

「精々、闇の中で二人で生きると良いですよ」

この人は敵なんだろうか。それとも…。

考えているうちに、死神はくるりと僕達に背を向けた。










「罪を背負って、生きると決めたからには」