神に選ばれなかった者達 前編

…それにしても、頭痛が酷い。

眞沙達が出掛けてしまった後、俺はずっと、ベッドに横たわっていた。

我ながら軟弱なことだ。

雨の日は体調悪くなることって、あるよな。

いや、俺は初めてなんだか。

おまけに酷い悪夢を見てしまったから、多分そのせいだろう。

眞沙の言う通り、風邪だったら嫌だな。

とにかく、今日は一日大人しくしておいた方が良いだろう。

それから…今夜、あの病院をどう攻略するかについても考えなくては。

まだ情報が充分とは言えないから、大した対策は立てられないが…。

とりあえず、みらくの安全がある程度確保出来ているのが有り難い。

昨夜は、俺が迂闊にエレベーターや階段を探しに行ったから、見つかって手術室に連れ込まれた訳で…。

あのまま手術室で大人しく隠れていれば、無事で済んだ…。

…と、断定することは出来ない。
 
あのまま隠れていれば見つからなかった、なんて保証はない。

いずれにしても、危険を冒さなければならなかったのだ。

死に方はゾンビの時以上に酷いものだったが、お陰で館内図を発見することが出来たんだし。

死んだ甲斐はあった…と、思おう。

…そう思わなければな。

自分の死に何の意味もなかったなんて、そんな虚しいことは考えたくない。…誰だって。

「…病院…か…」

…病院は嫌いだな。

…好きな人もあんまりいないだろうけど。

でも、俺は病院は嫌いだ。

出来ることなら、これ以上病院の中で死にたくはない。

前回のゾンビ軍団以上に、さっさと黒衣人間達を倒して、病院に巣食うバケモノを殲滅したい。

…しかし。






俺が正気を保つことが出来たのは、その日までだった。