みらくの落胆ぶりは、酷いものだった。
手術室の床に座り込み、体育座りをして俯いていた。
「…そんなに心配するな」
俺は優しくないし、気が利くタイプではない。
だから、こういう時どうやって慰め、励ましたら良いのか分からない。
みらくがどんな言葉を求めているのかも分からないが。
でも、これだけは言える。
「お前は一人で戦ってるんじゃない。今は、こうして俺が傍にいる」
「…響也くん…」
「お前のことは、可能な限り俺が守る。…保証は出来ないが」
「…君って人は…」
みらくは、ぷっと噴き出すように笑った。
…ようやく笑ったな。
違いの分からないピンクの化粧品を塗りたくるより、笑顔でいる方がずっと魅力的だと思うぞ。
「そこはさぁ…キリッとして、『お前のことは俺が絶対に守ってみせる』って断言するところじゃないの?」
「世の中に絶対はないだろう。保証出来ない約束をするべきじゃない」
それは不誠実というものだろう。
出来ないことを出来ます、とは言わない方が良い。
言葉には責任というものが伴うからな。
「締まらないんだから…まったくもう…」
「それは済まなかったな…」
「ううん…。…ありがと、響也くん…。ちょっと元気出た」
そうか。それは何よりだな。
「励まされてばっかりだね、君には…」
「そうか?」
「君みたいな優しい人が居るから…。つい、甘えたくなって…。自分でも、駄目だって分かってるのに…」
…。
…随分と切実な悩みだな。
「響也くんは…私に腹が立たないの?」
「…何で?」
別に腹が立ったことはないが。
そもそも、他人に対して腹を立てた記憶がない。
他人が自分に腹を立ててることは何度もあったが。
「もー…。…何でそんなに優しくしてくれるんだか…」
「…さぁ…。…何でだろうな?別に優しくしている自覚はないが…」
強いて言うなら…そうだな。
「価値のあるものを守ることで、自分も価値のある『何か』になれるような気がするから…だな」
「…」
俺がそう言うと、みらくは驚いたようにこちらを見上げた。
…俺はまた何か、変なことを言ったか。
「…何それ?それじゃまるで、今現在君に価値がないみたいじゃないの」
「…そうじゃないのか?」
「そんなことはないでしょ」
「…」
そう言ってくれるのは嬉しいが、現状、自分に何かしらの価値があるとは到底、思えないんだがな…。
何も卑屈になってる訳じゃない。相対的に考えた結果である。
手術室の床に座り込み、体育座りをして俯いていた。
「…そんなに心配するな」
俺は優しくないし、気が利くタイプではない。
だから、こういう時どうやって慰め、励ましたら良いのか分からない。
みらくがどんな言葉を求めているのかも分からないが。
でも、これだけは言える。
「お前は一人で戦ってるんじゃない。今は、こうして俺が傍にいる」
「…響也くん…」
「お前のことは、可能な限り俺が守る。…保証は出来ないが」
「…君って人は…」
みらくは、ぷっと噴き出すように笑った。
…ようやく笑ったな。
違いの分からないピンクの化粧品を塗りたくるより、笑顔でいる方がずっと魅力的だと思うぞ。
「そこはさぁ…キリッとして、『お前のことは俺が絶対に守ってみせる』って断言するところじゃないの?」
「世の中に絶対はないだろう。保証出来ない約束をするべきじゃない」
それは不誠実というものだろう。
出来ないことを出来ます、とは言わない方が良い。
言葉には責任というものが伴うからな。
「締まらないんだから…まったくもう…」
「それは済まなかったな…」
「ううん…。…ありがと、響也くん…。ちょっと元気出た」
そうか。それは何よりだな。
「励まされてばっかりだね、君には…」
「そうか?」
「君みたいな優しい人が居るから…。つい、甘えたくなって…。自分でも、駄目だって分かってるのに…」
…。
…随分と切実な悩みだな。
「響也くんは…私に腹が立たないの?」
「…何で?」
別に腹が立ったことはないが。
そもそも、他人に対して腹を立てた記憶がない。
他人が自分に腹を立ててることは何度もあったが。
「もー…。…何でそんなに優しくしてくれるんだか…」
「…さぁ…。…何でだろうな?別に優しくしている自覚はないが…」
強いて言うなら…そうだな。
「価値のあるものを守ることで、自分も価値のある『何か』になれるような気がするから…だな」
「…」
俺がそう言うと、みらくは驚いたようにこちらを見上げた。
…俺はまた何か、変なことを言ったか。
「…何それ?それじゃまるで、今現在君に価値がないみたいじゃないの」
「…そうじゃないのか?」
「そんなことはないでしょ」
「…」
そう言ってくれるのは嬉しいが、現状、自分に何かしらの価値があるとは到底、思えないんだがな…。
何も卑屈になってる訳じゃない。相対的に考えた結果である。


