神に選ばれなかった者達 前編

ところで皆さん、学校って好きだろうか。

ふぁには嫌いだね。

毎晩見る悪夢の次…の、次に嫌い。

ふぁにの嫌いなものランキングの第三位である。

…え?二位は何なのかって?

家かな…。自宅。

それでも、他にいる場所がないなら、そこにいなきゃいけない。

それにほら、学校はいつか終わりがあるじゃん?

悪夢に終わりはないし、自分の家もずっと変わらず存在するけども。

学校は、いつか終わる。

ふぁには今高校一年生だから、あと三年くらい経ったら、学校からはおさらば出来る。

…本当は、中学校を卒業した時点で、ふぁにの学校生活は終わる予定だったんだよ。

両親もそのつもりだろうと思っていた。当然。

中学校までは義務教育だけど、高校は義務じゃないじゃん?

中学校を卒業するなり、家を叩き出され、そして勘当されるものだと思っていた。

それで良いと思っていた。その方が気楽だし。

自立出来る自信なんてないけど、耐えられなければ、それはそれで構わないと思ってるから。

でも、残念ながらそうは行かなかった。

ふぁには、当然高校にも通うものとされていた。

受験シーズンに入った頃、両親がふぁにの為に入学願書を用意してくれているのを見た時。

ついにこの人達も、人の心が芽生えたのかと感動したものだが。

曰く、「お前みたいなクズが中卒じゃ、定職に就けない。」

曰く、「仕事もなく、家に引きこもられたんじゃ困る。」

曰く、「そうならない為にも、せめて高校くらいは出しておかないと。」

…とのこと。

よく分かんないけど、ふぁにの為じゃなくて、あんたらの為だってことね?

はいはい。ちょっとでも期待したふぁにが馬鹿だった。

だから、な?期待なんてしちゃ駄目なんだよ。どうせ裏切られるんだから。

ともあれ、高校に進学することになったふぁに。

とはいえ、選択肢はなかった。

この学校を受験しろと、一方的に親に命令された。

そこは地元でも有数の超底辺高で、その高校に入学する奴と言えば、不良か、とんでもないアホしかいなかった。

アホ過ぎて、他の高校に入れないレベルのアホが通う学校。

何でそんなアホ校を受験することになったのかというと、それは学費の安さにある。

その高校は確かに、救いようのないアホ校だけども。

その分、学費だけは、他と比べようがないほどに安かったのだ。

つまりふぁには、最低限のコストだけで、高卒の資格を得る為に進学させられた。

それだけの話だ。

…な?惨めだろ?