神に選ばれなかった者達 前編

我ながら後ろ向きな考えだよなぁ。

でも、期待して、裏切られて、絶望の底に叩きつけられる痛みは、誰よりもよく知ってるから。

だから、敢えて希望は抱かないようにしてるんだよ。

これも、自分なりの処世術なんだよ。

『天使ちゃん∶辛いとは思うが、協力して頑張ろう。

天使ちゃん∶俺達はこれまで、ずっとそうしてきた。だから、これからもそう出来るはずだと信じてる』

良いこと言うなぁ、李優君。

新人二人…特にみらくちゃん…を励まそうと、必死に言葉を選んでるのがひしひしと伝わってくるよ。

しかし、それっきり、みらくちゃんは掲示板に返信を書き込むことはなかった。

…無事なのかねぇ。

無事だと信じるしかない。

気を遣ってあげたいのは山々だけど…ふぁに達だって、自分のことで精一杯だから。

ゾンビ軍団を、ようやく倒した喜びに浸ってはいられない。

今夜からはまた、別のバケモノがふぁに達を待ち受けているのだから。

…果たして、今度はどんな敵なのかね。

簡単に倒せるだろうか?…それは多分無理。

どんな風に殺されるんだろうか?…きっと痛いんだろうな。

この苦境を…乗り越えることが出来るだろうか?耐えることが出来るだろうか?

…分からない。

でも、耐えられないのならば、それはそれで構わない。

ふぁにが耐えられなければ、きっと…。

…。

そんな風に考えていると、やがて、押し入れの扉がガチャッ、と開けられる音がした。

おっと。もうこんな時間か。

頭を下げて、のそのそと押し入れから這い出る。

そして、思いっきり身体を伸ばした。

はぁ、やれやれ。

今日もいつも通り…新しい憂鬱な一日が始まる。