神に選ばれなかった者達 前編

『天使ちゃん∶それでも、礼を言わせてくれ。

天使ちゃん∶特に響也、それにみらく。お前達の協力がなければ倒せなかった。

天使ちゃん∶本当にありがとう』

まぁ確かに、新入り二人が加入してくれたことは、かなり大きかったな。

みらくちゃんがいなければ、手榴弾という武器を得ることは出来なかった。

そして響也君がいなければ、手榴弾の使い道も分からなかった。

その点はありがとう。自分も感謝してるよ。

『きょうや∶そうか。

きょうや∶どういたしまして』

…響也君、君は本当に真面目だな。

君を文房具に例えると、間違いなくものさしだな。

しかも30センチのものさし。

服の中に突っ込んだら、背中がピーンッてなりそう。

それに比べたら、ふぁになんて自分を文房具に例えると、消しゴムのカスみたいなもんだよ。

良いじゃん、消しカス。集めて消しカス団子とか、作らなかった?

作らなかったか。そりゃごめんね。

すると今度は、掲示板にみらくちゃんがやって来た。

『M・Y∶これで終わりなの?』

…うん?

『M・Y∶もう戦わなくて良いの?これで解放されるの?』

…この悪夢から、ってことか?

切実な叫びだな…。この掲示板の向こうで、切羽詰まった表情をしているみらくちゃんの顔が、思い浮かぶようだよ。

出来ることなら、「これで終わりだよ」って言ってあげたい。

もう悪夢にうなされることはないから、安心してくれ、って…。

…言えたら良かったんだけどな。

しかし、それは残念ながら無理な話だ。

『天使ちゃん∶それは無理だ。』

李優君が、言いにくいであろうことを言ってくれた。

『天使ちゃん∶今後は、もうゾンビと戦わされることはないだろう。

天使ちゃん∶今夜からは、違う世界で、違うバケモノと戦わされるはずだ』

そう、その通り。

生贄に、休息なんてない。

一つバケモノを倒したら、今度はまた別のバケモノが待ち受けている。

この悪夢に終わりはない。永遠に…続いていくのだ。

『M・Y∶そんな…。

M・Y∶いつになったら終わるの?』

…さぁ。

それはふぁにが知りたい。

『天使ちゃん∶分からない。

天使ちゃん∶いつか終わりが来ると信じて、戦い続けるしかないんだ』

…いつか終わりが来る、ね。

希望を抱くのは勝手だが、ふぁにはそんな希望は持ってない。

きっと永遠に終わらない。いつまでも続くもんだと思ってる。

だって、いつか終わりが来るなんて期待してたら、心が折れてしまいそうになるだろ?

だったら、始めから希望なんて抱かず、絶望していた方が遥かにマシだ。