神に選ばれなかった者達 前編

…以上が、世にも恐ろしい「葬式ごっこ」の内容である。

どうだ。気分悪くなってきただろう?

大丈夫。ふぁにも気分悪いから。

友達がそんな目に遭って、傷つかない薄情者はいないだろうよ。

ほたるにとって、最早学校は地獄でしかなかった。

本当に辛かった。…怖くて、痛くて、とんでもなく惨めで。

毎日、今日はどんな目に遭わされるのかと、びくびくしながら学校に行った。

もう、学校には行きたくなかった。

学校に行こうとすると、足が震えた。お腹が痛くなって、目眩がした。

それが普通の子供だったら、とっくに不登校になってるところだろうが。

しかし、ほたるは不登校になることなんて、絶対に許されなかった。

いじめられようと、熱が出ようと怪我をしようと、「引き摺ってでも連れて行く」と言われているからだ。

ほたるのパパに。

学校は地獄だが、自分の家も負けないくらい地獄だった。

前述の通り、食べ物はろくにもらえないわ、洗濯もしてもらえないわ。

家族と一緒に寝ることも許されず、毎晩狭苦しい押し入れの中に閉じ込められ、座ったまま寝る。

おまけに、押し入れの中はとんでもなく寒かった。

毎晩、窒息死してしまいそうな息苦しさと、寒さ、そして恐怖を抱えながら眠っていた。

とてもじゃないけど、ぐっすり眠ることなんて出来ない。

朝になっても疲れが取れず、鉛のように重い、それなのにお腹の中は空っぽという身体を引き摺りながら、学校に行った。

で、学校ではこんな風に、酷いいじめに遭っている。

八方塞がりだった。明日が来ることが、堪らなく恐ろしかった。

明日はどんな辛い目に遭うんだろう。これはいつまで続くんだろうか。

そんなことを考え、堂々巡りになって、どんどん心が摩耗し、疲弊していった。

このままでは、自分が壊れてしまうような気がした。

…もう既に壊れているような気がしなくもないけども。

だけどこの時、ほたるは勇気を振り絞った。

ほたるが人生で最初に見せた、本物の勇気だった。

…何をしたのかって?

相談したのだ。

家族に、学校でのいじめのことを。