神に選ばれなかった者達 前編

まさか、先生までもがこれを見て、一緒に笑うなんて。

助けてくれなかった。止めてもくれなかった。

むしろ、いじめっ子達と同じように、ほたるのことを笑って…。

「お経も終わったので、次は焼きまーす」

「おぉー、出棺か。凝ってるなー」

先生。感心するなって。

つーか、焼くって何?

クラスメイトの男の子が何人か、ほたるの入った段ボール箱を持ち上げた。

不意に持ち上げられて、ほたるはガバっと起き上がろうとしたが。

「おい、死体が動くんじゃない」 

半分笑いながらそう言ったのは、あろうことか担任の先生だった。

この先生、発想が子供と一緒だな。

「せ、先生。助け…」

「ほら、うるさいから早く蓋をしてしまえよ」

「はーい」

「…!?」

ほたるが愕然としている間に、段ボール箱の蓋が閉じられた。

ご丁寧に、ガムテープで封までされた。

狭苦しい段ボール箱に閉じ込められて、目の前が真っ暗になった。

そのまま、何人かのクラスメイトに、何処かに運ばれているのが分かった。

それはまるで、気が狂いそうなほどの恐怖だった。

ほたるが連れて行かれたのは、火葬場…ならぬ。

校舎の外にある、ゴミ捨て場だった。

丁度、この間までのふぁにが、夢の中で落とし穴を作っていたあの場所に似ている。

ここはゴミを回収するところであって、火葬場じゃねぇ。

しかし、ほたるは段ボール箱に詰められたまま、そのゴミ捨て場に投げられ。

クラスメイトは、そのまま去っていった。

その笑い声と足音が、箱越しに聞こえてきた。

まさか、本当にここに置き去りにされるのか?

ほたるは恐怖のあまり、声も出ずに必死にもがくしかなかった。






…結局、それから三時間後。

ゴミ回収に来た用務員が、段ボール箱の中でもがいているほたるを発見した。

その時の用務員は、涙で顔をぐちゃぐちゃにしたほたるを見て。

うんざりとした顔で、「ゴミかと思った」と吐き捨てた。