神に選ばれなかった者達 前編

もっと強く抗議してやれば良いものを。

何も言えない、気弱なほたる。

「良いか、食べ物は残すんじゃないぞ」

「そうそう。全部食べろよ。でなきゃ今後、お前に給食は食べさせないからな」

理不尽。

それはお前が決めることじゃないだろ。

仕方なく、ほたるは山盛りのセロリサラダを食べた。

途中、何度も吐き出しそうになりながら、頑張って食べた。

それをクラスメイトは、笑いながら見ていた。

何が面白いんだ。こんなの見て。

何とか、山盛り一杯のセロリサラダを完食。

よく食べられたもんだ。

しかし。

「はい、完食おめでとー」

「じゃ、おかわりどうぞー」

「あ、俺のも俺のも」

あろうことか、おかわり追加。

クラスメイトは自分の皿に入ったセロリサラダを、次々とほたるのお皿に山盛りにした。

「…!?」

ほたるは目を見開いたが、次々に増えていくセロリの山。

ついには、クラスメイト全員分か?と思うほどの大量のセロリサラダが、ほたるの食器に山盛りになった。

ほたるも可哀想だけど、ここまで露骨に子供達に嫌われるセロリも可哀想。

「ほら、それも残さず食べろよ」

おめーらが残さず食え、と言ってやれば良いものを。

こちらをにやにや見つめるクラスメイト達に、ほたるが何か言い返せるはずもなく。

何とか無理矢理食べようとして、ついにほたるは嘔吐してしまった。

クラスメイト、大爆笑。

人が嘔吐する様を見て笑うなんて、どんな趣味してんの。

笑わなかったのはふぁにくらいで、何なら担任の先生までもが笑っていた。

「おいおい、汚いなーw自分で片付けろよw」とか言いながら。

こいつら、マジで全員腐ってやがる。

担任の先生までもがこの態度なのだから、そりゃクラスメイトも平気でほたるをいじめるよな。

正義は何処に。

…でも、元はと言えば、先に悪いことをしたのはほたるなのだから、何も言い返せない。

この状態でもまだ、悪いのはほたるであり、ほたるは自分の働いた悪事に対する罰を与えられているに過ぎないのだ。

ちなみに、この大量給食山盛りいじめは、セロリサラダのみならず。

グリンピースご飯とか、レバー炒め、ゴーヤチャンプルー、ほうれん草の白和え。

汁を吸い切ってデロッデロになったうどん、などのパターンもあった。

レバー炒めとゴーヤチャンプルーは、まぁ好き嫌い分かれると思う。

でもグリンピースご飯とほうれん草の白和えは、普通に美味しいと思うんだが?

あと、デロデロうどんは子供、大人に関わらず、誰でも食べたくないと思う。

このように、給食を食べられる時と食べられない時の差が、酷く激しく。

給食のメニューに振り回されるほたるは、哀れとしか言いようがない。