神に選ばれなかった者達 前編

その後どうなったのか、大体分かるよね?

端的に言うと、私は大恥をかいた。

とはいえ、それが恥ずかしいことだったと気づいたのは、もっと後になってからだった。

お友達の誕生日パーティに行くと、そこでクラスメイト達がそれぞれ、持ってきたプレゼントを渡した。

皆、立派なプレゼントばかりだった。

新しいペンケース、お洒落なハンカチ、最新の文房具セットに、可愛いクッキーとキャンディの詰め合わせ。

キャラクターモノのキーホルダーに、くまちゃん柄のポーチ、キラキラのチャームが付いたシュシュとヘアピン…。

プレゼントはどれも綺麗にラッピングしてあって、見た目にも大変可愛らしかった。

そしてついに、私のプレゼントを渡す番が来た。

次々にもらったプレゼントをその場で開封しては、皆で歓声をあげてはしゃいでいたが。

私が持ってきた「プレゼント」を渡すと、その場の空気が一瞬にして凍りついた。

「はい、これ私から。どうぞ」

「…え。これ、何?」

ポカン、とする主賓の女友達。

何、って…。

「プレゼントだよ。昨日作った花束」

「え?あ、うん…」

「可愛いでしょ?」

お兄ちゃんにも褒めてもらったし、きっとその子も喜ぶに違いない。

と、思い込んでいた当時の私。

今思えば滑稽極まりないが、あくまでその当時は大真面目だった。

「な…何で?それ何?」

「あ、サプライズか何か?」

私がプレゼントした花束に、困惑するギャラリー一同。

…サプライズって何?

「ほんとのプレゼントは?用意してあるんでしょ?」

「え?ほんとのプレゼントって何?」

てっきりお友達は、この雑草花束を「冗談」だと受け取ったらしい。

これはあくまで、皆を笑わせる為の冗談。ギャグみたいなもの。

皆をひとしきり笑わせた後に、「うそうそ、ほんとはこっちだよ(笑)」と、本当のプレゼントを渡すつもり。

…だと、思ってたみたいなんだけど。

私はあくまで大真面目だし、皆が何を言ってるのか分かってなかった。

「…え、嘘…。本当にそれがプレゼントなの…?」

「えぇ…」

ドン引きの一同。

もらった女の子も、どうして良いのか分からずに棒立ち。

さっきまで盛り上がっていた空気が、一瞬にして氷点下に下がった。

私も大困惑だった。

もっと手放しで喜んでくれると思っていたのに、この反応の薄さは何なのか。

「…??」

皆の反応に、私が首を傾げていると。

「あ…ありがとうね、心がこもってて、嬉しいわ」

何とかその場を繕ってくれたのは、傍で子供達を見ていた、お友達のお母さんだった。

褒めるところのない貧乏プレゼントを、無理矢理上手く言い繕ってくれた。

思えばこの時、このお母さんも、内心ドン引きだったに違いない。

それでも娘の為、そして集まってくれた他のお友達の為にも、頑張ってフォローしてくれたのだと思う。

「さ、さぁ。気を取り直して、お誕生日ケーキを食べましょうか。ねっ」

「う、うん…」

お友達のお母さんは、慌てて奥から、大きなケーキを持ってきた。

それきり、誕生日プレゼントの話には、誰も触れなかった。