神に選ばれなかった者達 前編

あれは…私が、まだ小学生の時だった。

私は、当時のクラスメイトの誕生日パーティに招待された。

私だけじゃなくて、クラスの女の子は皆、その子の誕生日パーティに呼ばれたのだ。

「のぞみちゃんもおいでよ」って言われて。

嬉しかったものだ。

お友達の誕生日パーティに誘われるなんて、初めてだったんだもん。

嬉しくて、お兄ちゃんにもすぐに報告した。

「今日、お友達の誕生日パーティに呼ばれたんだよ」って。

お兄ちゃんもとても喜んでくれた。

知らなかったのだ。私も、お兄ちゃんも。

これまで、人様の誕生日パーティに参加したことなんてなかったから。

誕生日パーティでどんなことをするのか、全然知らなかった。

パーティの前日になって、私はふと思い至った。

そうだ、お誕生日なら、何かプレゼントが必要だ、って。

私はプレゼントを探す為に、外に出た。

河原に向かって、何か良いものがないかなーと探し回り。

私は、河原に青い花びらの花が咲いているのを見つけた。

後で知ったけど、それはツユクサという野花だったらしい。

それを見て、私は思い出した。

いつだったかお兄ちゃんの誕生日に、キキョウの花を見つけてプレゼントしたことがある。

その時、お兄ちゃんは大層喜んでくれたものだ。

そして、拾った空き缶を花瓶代わりに、キキョウを生けて二人で楽しんでいた。

そんなことが、堪らなく幸せだった。

そのエピソードを思い出して、私はせっせと、河原でツユクサの花を摘んだ。

ツユクサとクローバーを合わせて、野花の花束を作成。

リボンの代わりに赤い紐で結ぶと、非常に可愛い花束が完成した。

家に帰ると、私はその花束を得意げに、お兄ちゃんに見せた。

「見て見て、お兄ちゃん。花束作ったんだよ」

「おぉ。可愛いね、のぞみ。それどうしたの?」

「明日のお誕生日会に持っていこうと思って」

「あぁ、成程…」

納得した、という風に頷くお兄ちゃん。

「喜んでくれるかな?」

「勿論、間違いないよ」

「…えへへ」

お兄ちゃんにも褒められて、満足。

…しかし。

「だって、こんなに可愛いのぞみからのプレゼントだよ?こんなのもらったら、お兄ちゃんだったら鼻血を噴いて卒倒するよ。羨ましい…」

「…あ、そう…」

褒めてくれて自信はついたけど、その一言は余計だったかな。

じゃ、分かったよ。

今度のお兄ちゃんの誕生日には、野花で花束を作ってプレゼントすることにする。

…鼻血はやめてね。さすがに。

…で、私は自信満々で、翌日の誕生日パーティに臨んだのだけど…。