神に選ばれなかった者達 前編

「突然何の話…?」

「ほら、りーちゃんの誕生日が来週でしょ?だから、駅前のカフェで誕生日パーティしようって話してたじゃない」

…そうだっけ?

そういえば…昼休みに、そんな話をしているのを聞いたような…。

自分には関係ないと思って、つい聞き流していた。

ちなみに、りーちゃん、とはクラスメイトのあだ名である。

去年から同じクラスになって、私も仲良くしてもらっている。

「のぞみも勿論、来てくれるよね?」

「…うっ…」

冗談でしょ。参加自由じゃないの?

いつの間にか、私も参加メンバーに加えられているなんて。

カフェって何よ。誕生日なんて、「ハッピーバースデー」を歌うだけで良いじゃない。

「来週の水曜日の放課後だから、空けといてね〜」

「そ、そんな…いきなり言われても…」

「だから、今お知らせしてるじゃん」

そ、そうだけど。

「それじゃ、私はそろそろスタボに行ってくるね。また明日ね〜」

「あっ…ちょっ…」

スタコラサッサ、と去っていくクラスメイト。

…あぁ…断り損ねちゃった…。

「あぁ〜…もう…」

…どうしよう。

カフェで誕生日パーティなんて、冗談じゃないよ…。

どれだけお金がかかると思ってるの。

大体、そういうのは全部ノーサンキューでやってきたのに…。

「…あぁ…やだな…」

別に、友達の誕生日をお祝いするのが嫌なんじゃないよ。

その為に、余計なお金を使うのが嫌なの。

…え?みみっちいって思った?

思いたきゃ勝手に思えば良いよ。

数年前まで、食べるにも事欠く生活だったんだから。

あの生活を味わえば、友達の誕生日なんてどうだって良くなるよ。

ただでさえ…「お友達の誕生日パーティ」には、良い思い出がない。

…嫌でも思い出してしまうじゃないか。

人生で初めて、友達の誕生日パーティに参加した時のことを。