神に選ばれなかった者達 前編

俺はトカゲのことも、昨夜のゾンビのことも、忘れようと思った。

過ぎたことは過ぎたこと。

もう終わったのだから、それで良い。思い出して、気にして、その度に傷つく必要はない。

…それなのに。









「…え」





夜、ベッドに入って間もなく。

俺はまたしても、一人で教室の中に立っていた。

その左手には、昨夜と同じ一本の錐が握られていた。

この状況、この景色には、見覚えがあった。

…まさか。

…同じ夢を、二日連続で見る、なんてことが有り得るのか?