神に選ばれなかった者達 前編

久し振りに、『処刑場』の掲示板を覗いた。

そこには、新たな書き込みがあった。

『M・Y∶てすと。

M・Y∶こんにちは。

M・Y∶ここに夢の中の皆が集まってるって聞いて…』

久し振りに覗いた掲示板には、新しい住民が増えていた。

時間を見るに、つい1時間ほど前の書き込みだ。

『ポンコツスナイパー∶お。

ポンコツスナイパー∶もしかして、昨夜の手榴弾少女?』

手榴弾少女、とは。

『M・Y∶そうです

ポンコツスナイパー∶そんなかしこまらなくて良いよ。いらっしゃい

M・Y∶本当に、現実でも繋がってるなんて…。

M・Y∶このアプリなんなんだろって、ずっと不思議だったんだ』
 
だろうな。

俺も最初勝手にインストールされている『処刑場』を、何度も消そうとしたものだ。

結局消えなかったし、このアプリが何なのか、未だに分かっていないが。

『天使ちゃん∶何か不安なことや聞きたいことがあったら、ここで聞いてくれ

天使ちゃん∶分かる範囲で教えるから

M・Y∶ありがとう。

M・Y∶ちなみにだけど、響也くんはここにいるの?』

…俺の名前が出ているな。

M・Yとは、間違いなく「夜蛾みらく」のイニシャルだろう。

呼ばれたなら、最低限返事はしておこう。

『きょうや∶いるぞ。

きょうや∶常に返事が出来る訳じゃないが、答えられる時は答える』

と、返信しておいた。

すぐに、みらくから返事が返ってきた。

『M・Y∶良かった(^^)

M・Y∶また今夜会おうね』

…。

「(^^)」←これ、どういう意味なんだ?

かっこ…に、挟まれたキャレットが二つ…。

不思議な言葉を使うんだな。意味は、また今度聞いてみよう。

…などと考えながら、登校。

俺は真っ先に、ウサギ小屋に向かった。

夢の中で一晩中、隠れていたその場所に行くと。

ウサギ達が、小屋の中で大人しくぴょこぴょこしていた。

…改めて見ると、狭いな。このウサギ小屋。

こんなところに、俺、みらく、李優、萌音、空音兄妹、ふぁにの七人がぎゅうぎゅう詰めになって隠れていたのか。

ウサギにとっては大迷惑。

俺は、にんじんのタッパーを手に、ウサギ小屋に入らせてもらった。

夢の中でもお邪魔して、現実でもお邪魔するとは。