神に選ばれなかった者達 前編

ついに意を決して、救助袋を降りてきたみらく。

「…ほ、ほぇー…」 

無事に地上に辿り着いたみらくは、未だに信じられない、みたいな顔でぽかんとしていた。

「…ほぇって何だ?」

「な、なんか…。凄い体験だった。ちょっと変わったウォータースライダー、みたいな…」

そうなのか。

ウォータースライダー、乗ったことがないから分からないな。

「怪我はないか?」

「う、うん…。大丈夫…」

二人共、無事に地上に辿り着いたな。

どうなることかと思ったが。

「ゾンビ…いる?」

「いや、今のところ、ここにゾンビはいない」

恐らく、まだ調理実習室やゴミステーションの方に集まってるんだろうな。

あるいは…『処刑場』の仲間達のところに行っているか…。

…まずは、彼らを探さないとな。

「そ、そっか…。良かった…」

「立てるか?歩けるか」

「うん…だ、大丈夫…」

手を差し出すと、みらくは俺の手を取り、よろよろ起き上がった。

…よし。何とか歩けそうだな。

「行こう」

「お…襲われたら、守ってね」

「努力はする」

「…そこは『俺に任せろ』とか言ってくれたらかっこ良かったのにな…」

それは悪かったな。

だが、出来ないことを約束するのは、あまりにも誠意に欠けると思って。

「頼りない仲間で申し訳ないな」

「そんなことないよ…。…ありがとう」

じゃ、行こうか。