だが、響也くんを構っている暇はなかった。
じりじりと、こちらに迫るゾンビ。
床に撒き散らされた油や調味料には目もくれず。
ふぁに達の存在を見つけたゾンビが、腕をだらりと垂らして、こちらに一歩一歩と迫ってくる。
エグいエグい。
思わず弓矢を取って構えたくなるが。
「ふぁに、頼む」
「おぉ…そうだね」
おっと。今回のふぁには、放火犯なんだった。
じゃ、そろそろやるかね。
ふぁには素早く、ガスコンロのつまみを捻った。
カチッ、と火がついて。
サラダ油をたっぷり染み込ませたクッキングペーパーを近づけると、瞬間的にボッ、と音がして引火。
ちょっとびっくりしたが、手は離さなかった。
燃え上がったクッキングペーパーを、床に放り投げるなり。
「逃げろ!」
ここからは、全員動かなければならない。
床に火を投げると同時に、火事に巻き込まれないよう、ふぁに達は調理実習室の窓から飛び降りた。
空音兄は空音妹の手を取り、庇いながら、一緒に駆け出した。
李優くんと萌音ちゃんは非常に冷静で、素早い動きで撤退。
さて、ふぁにも逃げなくては…と思ったが。
そこで、恐怖のあまり固まったままの響也くんに気づいた。
「おい、マジかよ…」
怯えちゃったか。竦んじゃったのか?
悪夢慣れしてないなら、仕方ないとも言えるが。
何でこういうの、気づいちゃうかなぁ。
自己責任なんだから、ほっとけば良いのに。
でも、このまま放っといたら、ゾンビと共に炎に巻かれてしまうのは明白。
見捨てることは出来なかった。
「びびってんじゃねぇ。ほら、行くぞ!」
「…あ、あぁ…」
背中をバシンと叩くと、ようやく我に返ったらしい響也くん。
ふぁにと共に、窓から飛び出した。
一階とはいえ、慌てて窓から飛び降りたせいで。
間抜けにももんどり打って、地面に転がってしまった。
いってぇ。馬鹿。
なんか足首捻ったような気がするが、火に巻かれるよりはマシ。
無理矢理何とか立ち上がって、響也くんと共に仲間達のもとに駆け出した。
「こっちだ、ふぁに。響也!」
先導する李優くんの声のする方に、全速力で駆け抜けた。
じりじりと、こちらに迫るゾンビ。
床に撒き散らされた油や調味料には目もくれず。
ふぁに達の存在を見つけたゾンビが、腕をだらりと垂らして、こちらに一歩一歩と迫ってくる。
エグいエグい。
思わず弓矢を取って構えたくなるが。
「ふぁに、頼む」
「おぉ…そうだね」
おっと。今回のふぁには、放火犯なんだった。
じゃ、そろそろやるかね。
ふぁには素早く、ガスコンロのつまみを捻った。
カチッ、と火がついて。
サラダ油をたっぷり染み込ませたクッキングペーパーを近づけると、瞬間的にボッ、と音がして引火。
ちょっとびっくりしたが、手は離さなかった。
燃え上がったクッキングペーパーを、床に放り投げるなり。
「逃げろ!」
ここからは、全員動かなければならない。
床に火を投げると同時に、火事に巻き込まれないよう、ふぁに達は調理実習室の窓から飛び降りた。
空音兄は空音妹の手を取り、庇いながら、一緒に駆け出した。
李優くんと萌音ちゃんは非常に冷静で、素早い動きで撤退。
さて、ふぁにも逃げなくては…と思ったが。
そこで、恐怖のあまり固まったままの響也くんに気づいた。
「おい、マジかよ…」
怯えちゃったか。竦んじゃったのか?
悪夢慣れしてないなら、仕方ないとも言えるが。
何でこういうの、気づいちゃうかなぁ。
自己責任なんだから、ほっとけば良いのに。
でも、このまま放っといたら、ゾンビと共に炎に巻かれてしまうのは明白。
見捨てることは出来なかった。
「びびってんじゃねぇ。ほら、行くぞ!」
「…あ、あぁ…」
背中をバシンと叩くと、ようやく我に返ったらしい響也くん。
ふぁにと共に、窓から飛び出した。
一階とはいえ、慌てて窓から飛び降りたせいで。
間抜けにももんどり打って、地面に転がってしまった。
いってぇ。馬鹿。
なんか足首捻ったような気がするが、火に巻かれるよりはマシ。
無理矢理何とか立ち上がって、響也くんと共に仲間達のもとに駆け出した。
「こっちだ、ふぁに。響也!」
先導する李優くんの声のする方に、全速力で駆け抜けた。


