神に選ばれなかった者達 前編

李優くんの指示で、自分達は校舎の外を大回り。

ゾンビの密集地帯を避けるようにして、家庭科室に集まった。

家庭科室の窓から、ゾンビがうろうろしているのがよく見えた。

おぇ。

お前ら全員焼き殺してやるからな。見てろよ。

家庭科室に集結したふぁに達は、まずは家庭科室の家探しを始めた。

「えぇと…。油、油…」

戸棚という戸棚を開け、中身を物色。

完全に空き巣じゃん。

夢の中だからセーフ。

これは醤油…。こっちは砂糖…。こっちはみりん…。

…ん?

「みりんって…酒だっけ?」

「本みりんはお酒だけど、みりん風調味料はノンアルだ」

ふぁにの問いに、空音兄が即答してくれた。

すげーな。雑学の範疇じゃね。

「よく知ってんな…」

「お兄ちゃんは我が家のシェフだから」

空音妹が自慢げに教えてくれた。

へー。人は見かけに寄らないって本当だな。

で、今目の前にあるこのみりんは…。

「…これって本みりん?それともみりん風調味料?」

「ちょっと見せてくれ…。…あぁ、これは本みりんだな」

ふぁにの持つでっかいみりんの容器を見て、李優くんが言った。

良いもん使ってんだな。この学校。

「じゃ、これは使えるってことか」

もう一本くらいないかなと、調味料の戸棚をあさってみたが。

残念ながら、みりんは一本しか見つからなかった。

まぁ、何本も保存してても、使い道がないもんな…。

あんまりドボドボ入れるものじゃないだろ?みりんって。知らんけど。

何にでも醬油をぶっかける奴はいるが、みりんをぶっかける奴は見たことない。

「李優。これはお酒?」

「それは…違うな。お酢だ」

「お酢かー。…じゃあこっちは?」

「えぇと…それはドレッシングだ」

「ドレッシングかー。…じゃあこれは?」

「…それは食器用洗剤だ」

「洗剤かー」

…難航してるようだな、萌音ちゃん。油探し。

調味料の種類って多いんだな…。どれがどれやら…。

すると。

「あ、これ…サラダ油だ」

「こっちにも一本あった」

空音兄妹が、四百グラム入りのサラダ油をそれぞれ一本ずつ発見した。

ようやくあったか。

更に。

「…これ、料理酒じゃないか?」

響也くんが、別の戸棚から、1リットル入りの料理酒を発見。

やっと見つけたか。

「でかした。…それ一本か?」

「ここには一本しか見つからなかった」

そうか。

一応…目的のものは見つかったな。