神に選ばれなかった者達 前編

さて、ここからほたるの、我が世の春が始まる。

一度やってしまったら、もう恐怖心はなかった。

無限の財産を手に入れた気分で、好きなだけ豪遊出来た。

クラスメイトにも気前良く、欲しい物は何だって買ってあげた。

カード付きウエハースチョコに始まり、コミック、雑誌、果てはゲームソフトや、ゲーム機まで。

自分自身も、欲しいと思うゲーム機やゲームソフトは、何でも買った。手当たり次第に。

しかし、買うものが大きくなると、色々問題が出てくる。

ほたるが買ってあげたゲーム機を、クラスメイトが家でやっていたら。

それを見たクラスメイトの親は、当然疑問に思うだろう。

「そのゲーム機、どうしたの?」って。

自分達は買った覚えのないゲーム機を子供が遊んでいたら、誰だって問い詰めるに決まっている。

お菓子だったら、その場で食べて証拠隠滅出来るけども。

ゲーム機や、コミックはそうは行かない。

何処かに隠しておく必要があった。

馬鹿なほたるでも、そのくらいの知恵はある。

そこでほたるとクラスメイト達は、「戦利品」を公園に隠すことにした。

ほたる達の学校の近くの公園には、掃除用具や防災用具を雑多に収納した、古ぼけた倉庫が置いてあった。

その倉庫には、当然鍵がかかっていたのだが。

長年使われていないせいで、すっかり錆びついてしまったその鍵に、釘だの木の枝だのを突っ込んでぶち壊し。

その倉庫に、「戦利品」を隠すことにしたのだ。

もうやりたい放題だな、こいつら。

そんなお粗末な隠し場所。万が一他の人に見つかったらどうするんだ、って感じだが。

それはそれで、別に構わなかった。

「戦利品」を誰かに持ち去られたとしても、また買えば良いだけだ。

何せほたるには、無限の資金がある。

…いや、お金は無限じゃないんだが。