神に選ばれなかった者達 前編

公園で隠れるようにして、ほたるは「戦利品」を貪った。

アイスクリームを丸ごと1つ食べ、板チョコを丸々一枚バリバリと食べ。

スナック菓子をあれこれ摘んだが、段々とお腹がいっぱいになってきて。

結局、途中で食べるのをやめた。

どうやら、欲張ってお菓子を買い過ぎたようだ。

お菓子でお腹いっぱいになるなんて、人生で初めての経験。

好きなものだけでお腹を満たせるなんて、非常に贅沢である。

しかも、これだけお菓子を買っても、まだお金はほとんど減っていないのだ。

豪遊したと言っても、駄菓子屋くらいじゃ、たかが知れているというものである。

さて、それで余ったお菓子はどうするか。

家に持って帰って、万が一ママに見つかってしまったら。

「このお菓子はどうしたの」と、聞かれることは明白。

家に持って帰る訳にはいかない。

仕方なく、ほたるは余ったスナック菓子を、公園の鳩に餌代わりに撒いた。

勿体なかったけど、仕方ない。

キャンディーやキャラメルは、カラスにでもやるつもりで、その場に置いて帰った。

お菓子のゴミも、駄菓子屋のレシートも、公園のゴミ箱に捨て。

これで、完全に証拠隠滅。

何食わぬ顔をして、ほたるは家に帰った。

お菓子の食べ過ぎのせいで、その日の夕食はろくに食べられなかったが。

「今日はお腹空いてない」と一言言うと、それで疑われることはなかった。

しめしめ。

これで完全に、ほたるは味を占めてしまったのである。