神に選ばれなかった者達 前編

で、ただでさえ不満を募らせていたほたるだが。

そこに、家族の関心を誘う、新たな存在。

つまり、妹ちゃんが生まれた。

ますます、家の中での立場が低く、そして悪くなっていく。

ほたるは、ちっとも妹ちゃんのことを可愛いとは思えなかった。

むしろ、家族中の関心を集める妹ちゃんが、疎ましくて仕方なかった。

しかもこれがまた、妹ちゃんが良い子でさぁ。

赤ん坊の頃のほたると大違いで、大層愛想の良い赤ん坊だった。

誰だって、気難しくて、頭も悪い小学三年生のほたるより。

愛想が良くて、可愛い赤ん坊の妹ちゃんの方を可愛がるに決まってる。

だが、ほたるはそれが面白くなかった。

誰がほたるのことを気にかけるだろうか。

家族の中で唯一、不機嫌な膨れっ面をしているほたるのことを。

…この後ほたるが起こした「事件」に、気づくのが遅れたのは、その無関心が原因だったのだろう。