神に選ばれなかった者達 前編

さて、そんな悪戯っ子のほたるだが。 

成長したほたるは、小学校に通うようになった。

小学生ほたる、爆誕。

相変わらず、家の中ではちょっとした問題児だったが。

それでも、小学校の始めの数年は、順調に過ごしていた。

転機が起きたのは、ほたるが小学校三年生の時。

ほたるの家に、5人目の子供となる妹ちゃんが生まれた。

おめでと。

…それにしても、今時、5人も子供を生むなんて珍しいよな。

随分と子沢山だ。

で、5人目の女の子の話だが。

末っ子ってのは、大抵何処の家でも可愛がられ、甘やかされるもんだろう?

ほたるの家でもそうだった。

ましてや、上の子達四人は、比較的歳が違いのに。

一番下の妹ちゃんは、ほたると10歳近く歳が離れていた。

ほたるの家にやって来た、久し振りの赤ちゃん。しかも女の子。

可愛くないはずがない。

お兄ちゃんもお姉ちゃんは、久し振りの赤ちゃんに大喜び。

弟も弟で、これまで自分が一番下で、弟も妹もいないことを長年不満に思っていた為。

歳の離れた妹が生まれたことに、大層喜んだ。

ママとパパも、久々に赤ちゃんを抱っこして、嬉しそうだった。

ただ一人不満そうな顔をしていたのは、ほたるだけである。

相変わらずほたるは、兄弟が増えることを快く思っていなかった。

家族の関心が妹ちゃんに集中することが、面白くなかったのだ。

ほんと、難しい子だよなぁ。ほたるって。

そこは素直に喜んどきゃ良いのに、空気が読めないって言うか…可愛げがないって言うか…。

でもまぁ、無理もないところはあるんだよ。

小学校に上がったほたるは、毎日、自分の才能のなさを思い知らされていた。

と、言うのも。

お兄ちゃんもお姉ちゃんも、凄く成績が良かった。

俗に言う、勉強しなくても頭良い。っていうタイプ。

テストは大抵百点満点だし、作文を書けば、模範作品として皆の前で読まされる。

運動神経も良くて、お兄ちゃんはドッジボールやサッカーなどで、どのチームからも引っ張りだこ。 

それはお姉ちゃんも同様で、しかもお姉ちゃんは美人だった。

人当りも良くて優しくて、友達も多かった。

二人共、学校から帰ると、迎えに来た友達と遊びに行く。そんな人気者だった。

弟も弟で、非常に優秀な子だった。

幼いながらに絵が上手くて、児童絵画コンクールで入賞したこともある。

お兄ちゃんとお姉ちゃんに比べれば、ちょっと内気ではあるけども。

とても聞き分けの良い子で、親のお手伝いを率先してやる。そんな子だった。

ほたるもさぁ、そうだったら良かったのに。

悪戯ばっかして気を引くんじゃなくさ。

親のお手伝いをすれば、もっとママとパパに可愛がってもらえただろうに。

ほたるには、そんな頭はなかった。

馬鹿なほたるは、お兄ちゃんやお姉ちゃんみたいに成績優秀じゃなかった。

むしろ、成績劣等生だった。

お兄ちゃんとお姉ちゃんと弟に、才能を全部吸われたような子だった。