どうやってのぞみを慰めてあげたら良いだろう。
僕には分からない苦しみを味わっているのぞみを。
「お兄ちゃん…。…私、怖いの。凄く痛いの…」
「…うん」
そう言って震えるのぞみの手を、ぎゅっと握ってあげることしか出来ない。
「こんなこと、信じてもらえないかもしれないけど…」
「ううん、信じるよ…。…のぞみの言うことなら、僕は何でも信じる」
「嘘…!たかが夢だって思ってるでしょ?現実じゃないんだから、大丈夫だって…」
「思ってないよ」
僕の言葉に偽りはない。
のぞみが言うことなら、僕はそれを信じる。
しかしのぞみは、僕の言葉さえ信じられないほどに、疑心暗鬼に陥っていた。
「嘘、嘘だよ…。お兄ちゃんに分かるはずない。あんな苦しみ、あんな痛み…!」
「…」
確かに僕には分からない。
僕は、のぞみの経験した悪夢を知らないから。その痛みがどんなものなのか分からない。
でも、その悪夢のせいで、どれだけのぞみが傷つき、苦しんでいるのかは分かる。
見れば分かるよ。
いつだって僕は、ずっとのぞみの傍に居たんだから。
なんて言ってあげたら良いだろう。
なんて言えば、のぞみの心は慰められるんだろう。
「…大丈夫だよ、のぞみ…」
僕に出来たのは、馬鹿の一つ覚えみたいに、同じ言葉を繰り返すことだけだった。
「何が大丈夫なの…。何も大丈夫じゃない。お兄ちゃんには分からないよ…!」
「大丈夫」
それでも僕は、そう言った。
だって。
逃げられない苦しみなら、耐えられない痛みなら。
もし、僕が代わってやることが出来ないなら。
…僕も、のぞみと同じ苦しみを、同じ痛みを共有する。
決して、のぞみを一人にはさせない。
運命の女神とやらが、のぞみを苦しめようとするのを、僕は絶対に許さない。
「お兄ちゃんは、のぞみを信じる。お兄ちゃんものぞみと同じ場所に行くよ」
「…出来るの?お兄ちゃん…」
「勿論。お兄ちゃんはのぞみを信じる。だから、のぞみもお兄ちゃんを信じて」
口では自信満々に、そう言っていたものの。
この時、僕は何か根拠があって言った訳じゃなかった。
何も分かっていなかった。お互いに。
ただ、僕がのぞみを信じていることは事実だった。
そして、のぞみを一人にするはずがない、それだけは事実だった。
何が何でも、僕はのぞみと同じところに行く。
「安心して、のぞみ。お兄ちゃんがいつでも、傍に居るからね」
昔も今も、いつまでも変わらずに。
僕には分からない苦しみを味わっているのぞみを。
「お兄ちゃん…。…私、怖いの。凄く痛いの…」
「…うん」
そう言って震えるのぞみの手を、ぎゅっと握ってあげることしか出来ない。
「こんなこと、信じてもらえないかもしれないけど…」
「ううん、信じるよ…。…のぞみの言うことなら、僕は何でも信じる」
「嘘…!たかが夢だって思ってるでしょ?現実じゃないんだから、大丈夫だって…」
「思ってないよ」
僕の言葉に偽りはない。
のぞみが言うことなら、僕はそれを信じる。
しかしのぞみは、僕の言葉さえ信じられないほどに、疑心暗鬼に陥っていた。
「嘘、嘘だよ…。お兄ちゃんに分かるはずない。あんな苦しみ、あんな痛み…!」
「…」
確かに僕には分からない。
僕は、のぞみの経験した悪夢を知らないから。その痛みがどんなものなのか分からない。
でも、その悪夢のせいで、どれだけのぞみが傷つき、苦しんでいるのかは分かる。
見れば分かるよ。
いつだって僕は、ずっとのぞみの傍に居たんだから。
なんて言ってあげたら良いだろう。
なんて言えば、のぞみの心は慰められるんだろう。
「…大丈夫だよ、のぞみ…」
僕に出来たのは、馬鹿の一つ覚えみたいに、同じ言葉を繰り返すことだけだった。
「何が大丈夫なの…。何も大丈夫じゃない。お兄ちゃんには分からないよ…!」
「大丈夫」
それでも僕は、そう言った。
だって。
逃げられない苦しみなら、耐えられない痛みなら。
もし、僕が代わってやることが出来ないなら。
…僕も、のぞみと同じ苦しみを、同じ痛みを共有する。
決して、のぞみを一人にはさせない。
運命の女神とやらが、のぞみを苦しめようとするのを、僕は絶対に許さない。
「お兄ちゃんは、のぞみを信じる。お兄ちゃんものぞみと同じ場所に行くよ」
「…出来るの?お兄ちゃん…」
「勿論。お兄ちゃんはのぞみを信じる。だから、のぞみもお兄ちゃんを信じて」
口では自信満々に、そう言っていたものの。
この時、僕は何か根拠があって言った訳じゃなかった。
何も分かっていなかった。お互いに。
ただ、僕がのぞみを信じていることは事実だった。
そして、のぞみを一人にするはずがない、それだけは事実だった。
何が何でも、僕はのぞみと同じところに行く。
「安心して、のぞみ。お兄ちゃんがいつでも、傍に居るからね」
昔も今も、いつまでも変わらずに。


