神に選ばれなかった者達 前編

その後私とお兄ちゃんは、宣言通り、一緒にパンを分け合って食べた。
 
メロンパンとクリームパンと、りんごデニッシュ。

お兄ちゃんは遠慮して、クリームパンのクリームの入ってないところだけ食べようとしたので。

無理矢理、クリームの部分を口に押し込んでおいた。

え、強引?

だって、こうでもしなきゃ食べてくれないんだもん。お兄ちゃんは。

購買部で売っている菓子パンなんて、私達にとっては、普段なかなか手の届かない高級品。

それを、宿題を見せるだけでタダでもらったんだから、最高だよね。

二人で「美味しいね」と食べ合って、大満足でその日の夕食を終えた。

その後、お風呂に入ってから…。






「…よし、本を読もう」

私は鞄の中から、今日図書室で借りてきた本を取り出した。

例の、ゾンビに関する本だ。

『猿でも分かる!ゾンビの倒し方』っていう本。

…改めて見ると、凄い本だよね。

一体何処に需要があるんだろう。

いや、私にとってはとても需要があるから、大助かりなんだけど。

いわゆる、ネタ本って奴なのかな…。

日常生活でゾンビと戦う機会なんて、まず有り得ないもんね。

…私達生贄を除いては、の話だけど。

この本を読めば、何かヒントを得られるかもしれない。

あの世界はあくまで夢の中であって、この本に書いてあることが参考になるかは分からないけど。

でも、試せることは何でも試しておくべきだ。

よし、じゃあ早速読もう。

私は本を開いて、第一章から読み始めた。