そうでしょうなんて、とても言えないから。
「私の姉がすごく美人だったの。お似合いの夫婦だったのよ」
「そうなんですか」
それから「うん。姪っ子も美人なのよ」と付け加え、フフッと笑う。
「柊木さんってお義兄さんと仲がいいんですね。まるで本当のお兄さんみたいでしたよ」
兄と言われると複雑な気分になる。
けれど顔には出せないので、笑顔を作った。
「最初、私の兄と間違えてたよね?いないけど」
「はい。すっかり姉妹であったことを失念してました」
「若田君が大きな声でお義兄さんに挨拶するからビックリしちゃったよ」
「それは……柊木さんのご家族なので、悪く思われたくないですから」
優相手にそれほどかと不思議に思いつつも「そうなんだね……ありがとう」とお礼を言った。
仕事を終えた優は、グラタンの材料を買って藤原家に向かう。
しかし、マンションの下に着いた時、意気地無しの心が顔を出した。
瑞樹の告白を思い出したのだ。
どんな顔で会えばいいのかわからない。
瑞樹が好きな心をきちんと隠せる気もしない。
だが、昼間の約束は守りたい。
様々な思いが頭をグルグルと巡る。
すると、後ろから肩をトントンと叩かれた。
「優ちゃん」
「お義兄さん……!」
あぁ、いけない。
心臓が途端に弾けたように波を打ちはじめる。
「来てくれたんだね」
「……え」
「昨日の今日で、ちょっと心配してた。来てくれてありがとう」
瑞樹も同じ気持ちだとわかり、ほんの少しホッとする。
今夜は訪れて間違いではなかったようだ。
「私の姉がすごく美人だったの。お似合いの夫婦だったのよ」
「そうなんですか」
それから「うん。姪っ子も美人なのよ」と付け加え、フフッと笑う。
「柊木さんってお義兄さんと仲がいいんですね。まるで本当のお兄さんみたいでしたよ」
兄と言われると複雑な気分になる。
けれど顔には出せないので、笑顔を作った。
「最初、私の兄と間違えてたよね?いないけど」
「はい。すっかり姉妹であったことを失念してました」
「若田君が大きな声でお義兄さんに挨拶するからビックリしちゃったよ」
「それは……柊木さんのご家族なので、悪く思われたくないですから」
優相手にそれほどかと不思議に思いつつも「そうなんだね……ありがとう」とお礼を言った。
仕事を終えた優は、グラタンの材料を買って藤原家に向かう。
しかし、マンションの下に着いた時、意気地無しの心が顔を出した。
瑞樹の告白を思い出したのだ。
どんな顔で会えばいいのかわからない。
瑞樹が好きな心をきちんと隠せる気もしない。
だが、昼間の約束は守りたい。
様々な思いが頭をグルグルと巡る。
すると、後ろから肩をトントンと叩かれた。
「優ちゃん」
「お義兄さん……!」
あぁ、いけない。
心臓が途端に弾けたように波を打ちはじめる。
「来てくれたんだね」
「……え」
「昨日の今日で、ちょっと心配してた。来てくれてありがとう」
瑞樹も同じ気持ちだとわかり、ほんの少しホッとする。
今夜は訪れて間違いではなかったようだ。

