今日は我慢しない。

「せーのっ、」「「佐柳会長ー!」」
「かっこいいぞ誠太(せいた)ー!」
「よ!イケメン会長!」


 男子も女子もまるで自分の家族がテレビに出た時みたいに興奮して声援を送っている。

 先生が「静粛に!」と怒り始めた。

 佐柳は、それを少し恥ずかしそうに笑いながら壇上のマイクの前に立って軽く咳払いした。


「せいちゃん可愛いー!」


 少し静かになりつつあった体育館に、男子生徒のふざけた声が響いた。

 耐えかねた佐柳が、クハッと笑った。


「可愛いはやめて」


 控えめなツッコみをするだけでみんながどっと笑うのはなぜなのか。

 
「えー、二年A組佐柳(さりゅう)誠太(せいた)です。 まず、優秀な人がたくさんいる中で生徒会長に僕を選んでくれたこと、本当に嬉しく思ってます。 公約でも言ったんですけど、生徒会長になったからにはなんか楽しいことをたくさんやっていきたいと思ってます。 一緒に思い出に残る青春を作っていきましょう!」


 堂々と言い切った後、佐柳はトレードマークの明るい笑顔でニカッと笑う。

 すると体育館中から歓声と拍手が沸き起こった。

 私も例にもれず、笑顔で佐柳に拍手を送る。