それからしばらく走ってプールの裏手まで来ると、ハンターは完全に見えなくなって佐柳はようやく足を止めた。
「撒いたか……」
「あ、ありがとう」
「どういたしまして。 クマ2匹救出できてよかった」
あ、そっち。
そりゃそうか。
ふぅ、と軽く息をつくと佐柳は私を下ろし、ズシン、ともう片方の手にあったダンベルを下ろす。
そうだ、佐柳にはハンデがあるんだった。
……ってことは、40kgプラス私も抱えながらあのスピード……!?
信じられない。
こんなことできる人、佐柳以外にいるのかな……?
「あっつ」
佐柳は暑そうにジャケットの袖を捲りリストバンドで軽く額の汗を拭う。
その筋ばった腕が目について、この腕に抱きしめられたなって思い出してドキッとする。
いや、実はその前にもっとすごいことしてるんだけど……て考え出したらキャパオーバーしそうになって、慌てて煩悩を頭から消す。
「――三条」
そのタイミングで佐柳に話しかけられたものだから、ビクンと肩が跳ねてしまう。



