今日は我慢しない。



「っ、違うよ、佐柳」



 たまらず声を投げた私に、佐柳が足を止めて振り向いた。



「佐柳のせいじゃ、ないよ」


「え……?」



 佐柳は信じられないものを見るような目で、私を見返す。



「佐柳は何も悪くない。 少なくとも私は佐柳に救われたよ。 佐柳がαで、よかったよ」



 一人で戦い続ける辛さを、私は知ってる。

 そんな自分を助けてくれる人の存在の大きさも。

 だから




「私は佐柳の味方だよ……!」




 私も佐柳の力になりたい。




「……っ、」




 そのとき、佐柳の顔が泣きそうに崩れるのを見た。



 佐柳の手から離れた脚立がガシャン、と倒れる。