今日は我慢しない。

「え……?」

「なんだか雰囲気が似てるわ、私の知ってるΩと」

「っ、母さん、いきなり失礼だろ……!」

「大事なことよ。 あのね、三条さん。 ご存じだと思うけど誠太はαの中でも高尚なαなのよ。 昔からよく女の子に好かれるんだけど、誠太には性欲の強いΩの女より優秀なα女性の方が相応しいと思うのよね」

「何言ってんだよ。 もう用が済んだなら帰って」


 苛立ちを見せる佐柳に構わず、お母さんは続ける。


「αとΩの番の子は優秀なαが生まれるとか言うけど、正直それもどうなのかしらね。 αとΩどちらが生まれるかなんて五分五分だし、フェロモンで異性を誘惑するΩの血なんてはしたなー……」

「母さん!!」


 佐柳が強い口調でお母さんをいさめた。


「っ……もう、帰りなよ」


 さすがのお母さんも驚いたのか一瞬かたまったけど、すぐに佐柳と向き合ってニコッと笑顔を作った。


「そうね。 とにかく誠太、あなたはまだ子供なんだから。 お相手は冷静に選んでね。 それと生徒会頑張るのはいいけど勉強もしっかりね。 それじゃ」


 佐柳のお母さんはそう言い残して、私の方は一度も見ることなく去って行った。