誰かが「え」と呟くのが聞こえた。
構わず口に入れた大好きな漬物から、じゃり、と砂の嫌な食感がした。
この時の私は目の前のことに必死で、漬物を水道で洗おうとかいう考えは頭からすっぽり抜け落ちていた。
だからひたすらそのお弁当を、目を閉じて咀嚼して無理やり飲み込む。
……泣くもんか。
ここで泣いたら負けたことになる。
背筋を伸ばして無心でお弁当を食べ続けていると、職員室から戻って来た先生が目を丸くした。
「三条さん!? やだ、ごはん泥だらけじゃない! 誰にやられたの!? ていうかこんなの食べちゃダメよ!」
先生が私からお弁当を取ろうとしたけど、私は首を横に振って拒否した。
「!? 離しなさい三条さん! お腹壊すわよ!」
「こんなのでお腹壊してるようじゃダメなんだもん……!」
「え……?」
キョトンとする先生をよそに、私はまた漬物を一口頬張った。
ジャリジャリとした食感は慣れることなく鳥肌が立つけど、なんとか飲み込んで、またひと口。
土だらけのお弁当を食べ続ける私に、先生もクラスメイトも絶句している。
こんなことでへこたれていられない。
強くならなくちゃ。
性別に左右されたりしない、あんな奴らに舐められないぐらい、強い人になりたい。
ううん、こんな世界ひっくり返すぐらいの、強い人になってやる……!!
構わず口に入れた大好きな漬物から、じゃり、と砂の嫌な食感がした。
この時の私は目の前のことに必死で、漬物を水道で洗おうとかいう考えは頭からすっぽり抜け落ちていた。
だからひたすらそのお弁当を、目を閉じて咀嚼して無理やり飲み込む。
……泣くもんか。
ここで泣いたら負けたことになる。
背筋を伸ばして無心でお弁当を食べ続けていると、職員室から戻って来た先生が目を丸くした。
「三条さん!? やだ、ごはん泥だらけじゃない! 誰にやられたの!? ていうかこんなの食べちゃダメよ!」
先生が私からお弁当を取ろうとしたけど、私は首を横に振って拒否した。
「!? 離しなさい三条さん! お腹壊すわよ!」
「こんなのでお腹壊してるようじゃダメなんだもん……!」
「え……?」
キョトンとする先生をよそに、私はまた漬物を一口頬張った。
ジャリジャリとした食感は慣れることなく鳥肌が立つけど、なんとか飲み込んで、またひと口。
土だらけのお弁当を食べ続ける私に、先生もクラスメイトも絶句している。
こんなことでへこたれていられない。
強くならなくちゃ。
性別に左右されたりしない、あんな奴らに舐められないぐらい、強い人になりたい。
ううん、こんな世界ひっくり返すぐらいの、強い人になってやる……!!



