――それから私は、全力で佐柳を避けた。
廊下ですれ違いそうになったらなにか思い出したふりをして踵を返し。
生徒会の定例会議ではなるべく遠い席に座るよう心掛け。
なにかとタイミングをずらし、それとなく、それとなぁーく自然に佐柳を避けた。
正直言ってかなり無理ある時もあるけど、仕方ない。
発情してまた同じ事態になったら佐柳に申し訳が立たない。
避け続ける私を佐柳もそこまで気にしてないのか、わざわざ私を捕まえて話しかけてくるような雰囲気もない。
元の距離感に戻った感じだ。
ちょっと寂しいな、なんて。
どの口が言うの?って考えがよぎり出したのは、一週間ほど経った頃だった。
「いけ誠太ー!!」
体育館の真ん中で、高く高くジャンプした佐柳が腰をひねらせてバレーボールに大きな掌を落とす。
佐柳に叩かれてC組のコートに勢いよく飛び込んでいったバレーボールは、C組屈指のα男子たちの合間を高速ですり抜けて大きくバウンドしていった。
「ナイッシュー誠太!」
「っしゃー」



