今日は我慢しない。

 それを言葉にしたのは、私じゃなかった。

 突然頬が優しい温もりに包まれて、ビックリして目を開ける。



「ごめん、三条。ごめん」



 佐柳が今にも泣きそうな顔で私を見つめていた。

 信じられない光景に思考停止する。



「泣くなよ、俺が悪かった。 ごめん。 ごめん……」 



 佐柳は私の額に優しくキスして、そのままぎゅ、と抱きしめる。

 驚いてかたまる私に、佐柳は優しい声音で言う。


「三条が全部自分ひとりで解決しようとするから、苛立ったんだ。 泣かせたいわけじゃない。 Ωだから襲ってるわけじゃない。 三条を助けたいんだよ」


 私を、助けたい……?