今日は我慢しない。

 ドア前に立つ佐柳と向かい合うと、またさっきの欲望がうずまいた。


 『キテ』『サワッテ』


 私は頭をぶんぶんと振ってその欲望を追い払う。


「そこ、どいてっ」


 佐柳は呆れたように首を振った。


「うちの学校αが多いの知ってるよな? こんな状態で行ったら襲われるぞ」

「襲われる……?」


 は、と乾いた笑いが漏れた。


「ありえない」


 そう、ありえない。

 こういう時のために、私は私を守れるようずっと努力してきたんだから。

 
 『負けないで』 『強く生きてね』


 私は負けない。

 私は強い。

 そこら辺のαに負けたりしない……!