今日は我慢しない。

「っ……!」



 そこで、確信した。

 咄嗟に私から手を離した佐柳は、口元を押さえて後ずさる。


「三条、これ……発情……?」

「……っ」


 否定できない私に佐柳は、何も言わずに窓とドアの鍵を閉めた。

 
「っ、はぁ、やっば……」


 佐柳は何かに抗うようにドアにゴツッ!と額をぶつけた。


「抑制剤は?」


 そう急かすように聞く佐柳は、こっちを見ようとしない。

 私はもう誤魔化しが効かないことを悟る。


「……15時ごろ飲んだ」

「予備はないの?」

「うん……」


 だって抑制剤は一度飲んだら次は6時間以上あける決まりになっている。

 そしてその6時間は必ず効果があるはずなのに、なぜか私はこんなことになっちゃってる。

 しかも佐柳がいる、考えうる中でも一番最悪なタイミングで……。