今日は我慢しない。

「え?ってことはこの学校にいる可能性高いってこと!?」


 ドアを隔てた先の男子たちの会話に、私はピタッと動きを止める。
 

「まじ!?Ωって誘惑するフェロモン出すんだろ?こわ」


 ……。


「えー都市伝説だろ」

「いや、ガチだよ。俺街中で発情してるΩ見たことある」
 

 1人がどこか得意げに言えば、他二人が「「えー!!」」と好奇心いっぱいに驚いてみせた。

 私は小さく息を吐いて着替えを再開する。