今日は我慢しない。

「三条。好き」


 呆けていたところに改めて言われてハッとする。


「っ、……うん」

「好きだよ」

「わ、わかった」


 もう全然普通にキャパオーバーだから。


「大好き」

「っ、わかったって……っ」


 好きの乱れ打ちに耐えかねた私は慌てて前を向いて歩き出す。

 てか、どこに行こう?

 佐柳を家から連れ出すことにムキになって、ほんとに佐柳が出てきてくれると思わなかったし、その先のことまで頭まわってなかった。


「……ねぇ、三条」

「ん?」


 振り向くと、佐柳が真剣な顔つきでいた。

 どこか切ない目をする佐柳にドキッとする。



「三条の家行きたい」


「え?」


「浴衣見せてよ」



 佐柳の金色の目に月の灯りが映り込んで、妖しく揺らめいた。