「佐柳が今日までどんな思いでいたかご存知ですか? 何に悩んで何に苦しんできたかご存知ですか? あの学校で佐柳が頑張ってきたこと、ちゃんと知ってますか!? ていうか!」
私は佐柳を思い切り指さした。
「こんな優しい人がお母さんのこと捨てられるわけないじゃないですか!!」
そこまで言って、それまで鳴いていた蝉の声が止んでいたことに気がつく。
……あ。
頭に血がのぼってめちゃくちゃ言ってしまった。
好きな人の、お母さんなのに。
「……あ、あー、いえ、子供は思ったより親のことを思ってるよ〜ってことを言いたかっただけで……あっ、それとなんか勢いで駆け落ちとか言っちゃいましたけど佐りゅ……誠太さんに会いたかっただけなので21時までには帰します」
「えっ」
今の〝えっ〟は息子の方。
「じゃ、失礼します!」
そう頭を下げて逃げるように佐柳の手を引いて歩きだす。
またなにか言われて引き留められるんじゃないかと思ったけど、それ以上お母さんがなにか言ってくることはなかった。
私は佐柳を思い切り指さした。
「こんな優しい人がお母さんのこと捨てられるわけないじゃないですか!!」
そこまで言って、それまで鳴いていた蝉の声が止んでいたことに気がつく。
……あ。
頭に血がのぼってめちゃくちゃ言ってしまった。
好きな人の、お母さんなのに。
「……あ、あー、いえ、子供は思ったより親のことを思ってるよ〜ってことを言いたかっただけで……あっ、それとなんか勢いで駆け落ちとか言っちゃいましたけど佐りゅ……誠太さんに会いたかっただけなので21時までには帰します」
「えっ」
今の〝えっ〟は息子の方。
「じゃ、失礼します!」
そう頭を下げて逃げるように佐柳の手を引いて歩きだす。
またなにか言われて引き留められるんじゃないかと思ったけど、それ以上お母さんがなにか言ってくることはなかった。



