「ちょっと! なにしてるの! もう帰って!」
俺と話させまいとする母さんが三条を押しのけようとするのを、ググッと三条が押し返す。
「佐柳! 私なら大丈夫だよ! 見て! 佐柳のお母さんよりずっと強いし!」
「はぁ!? なにいってるのよあなた……ちょっと、手をどかしなさい!」
いや、強いとかそういう問題?
何してんだと思いつつ、まるで三条に歯が立たない母さんが顔を真っ赤にする姿にスカッとしてる自分がいる。
「学校辞めさせられたってどこに行ったって絶対成功して成り上がってみせる! 私の底力舐めないで! たとえ佐柳に何かあったとしても養ってあげる!!」
「……ハッ」
三条ってこんなバカだったんだって、愛おしさで笑いがこみ上げる。
そして俺は窓を開けた。
「おいで佐柳! 駆け落ちしよう!!」
そう言って俺に大きく手を広げる三条がかっこよすぎて、胸が震えた。
すげぇ。ヒーローじゃん。
俺は窓の桟に足をかけて、二階の部屋から思いきり飛び出した。



