きっと次に三条が来ても、また母さんが門前払いするだろう。
二度も追い返されれば、三条も諦めるかな。
……そう思っていたのに
それから三条は五回来た。
そのうち四回は蓮田さんが対応した。
留守にしてます、と言うと三条は「また来ます」と言う。
そして今日も。
「こんにちは。誠太さんに会わせてください」
三条はいつも通り、淡々とした声で言う。
「あなたね、いい加減しつこいわよ!」
とうとう母さんがキレた。
俺はいつも通り二階にいて、母さんから絶対に部屋から出るなと言われた事付けをちゃんと守ってる。
嬉しさやら申し訳なさやら、情けなさやら。
複雑な感情が入り乱れてる。
「あのねぇ。誠太には会わせないって言ってるでしょう? 誠太も会いたくないって言ってるのよ」
相変わらず母さんは、息を吐くように嘘をつく。
「何度来ても誠太には会わせないわ! 次は通報するわよ!?」
「どうぞ」
三条は冷静にしれっと想定外のことを言った。
「通報されて困るようなことはしてないので」
ゾクリと肌が泡だった。



