『俺ら平瀬家に対して相当な恨みを抱いているあいつは、最後の復讐として、親父の息子である俺を絶対狙ってくる。……だから、俺はそれを逆手に取って…
俺は、神々亜久都を殺す。
俺が……家族の、復讐をする。
そして……す・べ・て・を終わらせる。』
麗琉くんの過去は想像を絶するものだった。
……こんな言葉で片付けてはいけないほどに麗琉くんは闇を背負っていたんだ。
話を聞いていて相槌さえ打てなくなるくらい恐ろしくて、辛くて苦しい過去だった。
……話をさせなければよかったと後悔しそうになるほどに。
でも話して、なんて言ったのは私だ。
そんな後悔は胸に留めて、私は口を開く。
「ごめん…、そして…ありがとう麗琉くん。」
「……。別に気にしなくていいよ、俺が話たかっただけ。」
そう言う麗琉くんの表情は、いつものポーカーフェイスが崩れて、動揺と不安が見え隠れしていた。
だから、私の口はまた動いてしまった。
また1つ。いやかなり大きく。
負の歯車が噛み合ってしまったのだ___



