キミの手を握りしめて、離さないで、繋ぎ止めて。




しばらくリビングで待っていると、青羽は2つのお椀を持ってきて、俺の向かいに腰を下ろした。


青羽が座ったのを見て手を合わせる。



青羽が作ってきたのは煮込みうどんだった。


……青羽のやつがこんなの作るなんて、俺が食事をしない理由まで見透かされていたのだろうか。



なんて内心驚きながら一口食べる。




「あ、うま……。」


無意識にこぼれ落ちた一言。


死んだように何もする気が起きなくても、美味しいものを食べれば、少しは元気になれた気がした。





「……はぁ…ったく、ご飯も食べないでお前まで死ぬつもり?さすがに勘弁だからね。」


俺の食べるとこをしばらく見ていた青羽はホッとしたようにため息をつき、呆れたように笑った。




「……ごめん、青羽。」

ほんといつも何考えてるかわかんないけど、今は分かる。

心配してくれたんだろう、少しだけ申し訳なくなった。




「いーよ、別に。」

そう言った青羽はにやりと笑ったあと自分も、お腹すいたーと言ってうどんに口をつける。





「てか青羽、学校は?」

……何も違和感なく迎え入れたけど、確か、今日普通に平日だったはずだ。