キミの手を握りしめて、離さないで、繋ぎ止めて。




はっきりと告げられた声と強い瞳に、俺の感情がごちゃごちゃになって目を伏せる。



……孤独で、全てを終わらせるつもりだった。
できれば過去なんて思い出したくもない。

無かったことにして、俺はただの犯罪者になりたい。




「……。…澄星、ありがと。…まー、話の繋ぎ方が変になるかもしれないけど、俺の過去の話からでいい?」


「うん、いいよ。」


そう言った澄星は覚悟を決めたように目の色を変えた。


それを見て、再度息をふぅ……と吐いた。




……あの時、澄星みたいな子と向き合っていれば、俺はこんな真っ黒な世界に落ちなかったのかもしれない。




今更思う、なんで復讐なんて馬鹿げたこと考えたのか。



なんで………

俺は、裏の世界に足を踏み入れたのか。