キミの手を握りしめて、離さないで、繋ぎ止めて。






「誰っ?大丈夫でっ、……?……っ!!」



私は何も考えずに駆け寄って、ライトで目の前を照らす。




まさか………こんなことになってるとは思いもしなかったから。



私の心臓はバクバク嫌な音を立て荒れまくっていた。






私の足元、目の前には血まみれになった男の人が倒れていて、その奥にはもう1人。





……真っ黒な格好をした麗琉くんが立っていたのだ。




手には多分、銃を持っている。
私を捉える瞳には感情はなくただ鋭く、こちらを見抜いていた。

耳についているピアスだけが不気味に光を放ち続けている。




その瞬間忘れ去られていた記憶が一瞬で呼び起こされる。


……私を誘拐した何人もいたあの人たちをたった一人で倒してしまった、あの時のこと。




あれから、麗琉くんに避けられるように会うこともなく……私も夢だったんだろうと、言い聞かせて気にしてなかったのに…。