「あ〜〜もういいや。こっち通ろっ、」
私は少し悩んだ末、近道になるが明らかに闇に包まれた怪しい細い道へと足を踏み入れた。
……そういえば、前にゆらながこっちは蓬莱の縄張りで怖い奴らがいっぱいいるって言ってたっけ……、
確かにこの前とかここで、人が死んだとかどうとかニュースもやってたし………。
「………。」
うん、まぁいいっか。
別に道は誰が通ってもいいわけだし、そんな長い道でもないし急げば大丈夫だろう。
そう思い、というか言い聞かせて早歩きで通り抜ける。
「……あれ、」
……なんだ誰もいないじゃん…怖がって損した……。
ビクビク怯えながらキョロキョロして歩いていたのだけれど、全くと言っていいほど人がいない。
……繁華街みたいに怖い人が少しくらいうろちょろしてるかと思ったんだけど…。
まぁそんなとこ気にしてる前に、時間も遅いし早く帰ろっと。
なんて思いながら裏道を抜けようとしたその時だった。
