キミの手を握りしめて、離さないで、繋ぎ止めて。




お母さん、お父さん改めて久しぶり。遅くなってごめんね。私は元気だよ!
高校生もしっかりやってるよ。……麗琉くんが私を助けてくれたから。

闇から救ってくれたんだ。あ、麗琉くんのことはまた今度紹介するね。


じゃあ……またね。今度は近いうちにくるね!お父さんもお母さんも大好きだよ。





体感だと10分くらい。


本当の時間は全くわかりっこないけど、私の近状報告をしていた。
これでも私はお喋りが大好きだったから。

昔、学校から帰ってくると毎日何があったか何十分も話してたなぁ……。なんて、思い出しながら私は立ち上がった。






「じゃあねっ!お母さん、お父さん。元気でねっ!」




私は笑顔をもう一度向けてからお墓に背を向けた。




……雨に奪われるものなんて、もうない。



私の心は暖かくなっていた。



来るときと違って足取りは軽くなっていた、気がする。