キミの手を握りしめて、離さないで、繋ぎ止めて。





あれから。幸い雨もやんでいたため、水を汲んできて墓をきれいに掃除した。

半年以上ぶりのお墓は綺麗なようで汚れてもいた。


高校は思ったよりも忙しく、今では1年に数回程度しかここに来れなくなっていたせいだろう。





いつもごめんね……、お父さんお母さん。




心の中でつぶやいた私はもってきたマッチを擦って火を点ける。

ろうそくに灯った火はボォウッと明るく膨らみ、風で左右にゆらゆら揺れた。



そんな火の姿はまるで過去に飲まれると崩れかける私の心と同じように頼りなかった。





「………。」



私は静かに手を合わせて目を伏せた。