『日に日に募る想いを 断ち切れる強い力を、わたしにどうか与えてください』
ちょうどギターの音が止まり、アカペラでそんなフレーズが聞こえてきた。
ギターを抱えた彼の声は甘く、どこか哀愁を感じる。それでいて胸に響く力強い歌声で、無意識に足が止まった。
それからギターの演奏が始まり2人の声が音を奏でた。
帽子を被ったもう1人の彼は少し低い声で、それでも柔らかく上の方から降ってきたように心地良い。
音楽にはあまり興味がないけれど、しばらく聴き入ってしまった。これが癒しの力というのだろうか。少し涙腺が刺激された。
『別れるくらいなら凛殺して俺も死ぬ』
急に悠樹からメールが届いた。直正が何か伝えたのだろう。鳥肌が立ったのは気味の悪さからだ。
こんな文面、気味が悪くて当然だ。現実に引き戻される。いつだってそうだ。彼と出会ってから、ずっとそうだ。どんな興味深いことでも、彼の影に消されてしまう。深く入り込んだ黒い染に侵食される。どう擦っても引っ掻いても、その穢れは剥がれることなく広がるばかりだ。
もう限界だ。
この男に付きまとわれるのはもうたくさんだ。散々私を弄び、傷付け、裏切り、今度は付きまとい、この先の人生もきっとこの男に邪魔される。あの男がいる限り私に光はない。どんな漂白剤でも洗い流すことなど不可能なのだ。
私はいつまで経っても前に進めない。
もう覚悟はできた。
ちょうどギターの音が止まり、アカペラでそんなフレーズが聞こえてきた。
ギターを抱えた彼の声は甘く、どこか哀愁を感じる。それでいて胸に響く力強い歌声で、無意識に足が止まった。
それからギターの演奏が始まり2人の声が音を奏でた。
帽子を被ったもう1人の彼は少し低い声で、それでも柔らかく上の方から降ってきたように心地良い。
音楽にはあまり興味がないけれど、しばらく聴き入ってしまった。これが癒しの力というのだろうか。少し涙腺が刺激された。
『別れるくらいなら凛殺して俺も死ぬ』
急に悠樹からメールが届いた。直正が何か伝えたのだろう。鳥肌が立ったのは気味の悪さからだ。
こんな文面、気味が悪くて当然だ。現実に引き戻される。いつだってそうだ。彼と出会ってから、ずっとそうだ。どんな興味深いことでも、彼の影に消されてしまう。深く入り込んだ黒い染に侵食される。どう擦っても引っ掻いても、その穢れは剥がれることなく広がるばかりだ。
もう限界だ。
この男に付きまとわれるのはもうたくさんだ。散々私を弄び、傷付け、裏切り、今度は付きまとい、この先の人生もきっとこの男に邪魔される。あの男がいる限り私に光はない。どんな漂白剤でも洗い流すことなど不可能なのだ。
私はいつまで経っても前に進めない。
もう覚悟はできた。
