もしかしたら彼も部屋へ来るかもしれない。さゆりは彼と会えば何を言うか分からないけれど、私も今彼と冷静に話すことなどできない。何を言っても恨み言しか出てこないだろう。
思ったより早くさゆりは到着した。その間も涙が止まらなかった。彼が恋しいからではない。裏切られた悲しみと悔しさがどんどん溢れてくる。
本当は出会った時からずっと裏切られていたのだ。それが形としてはっきりと見えただけなのだ。
「どうやって来たの?」
玄関で迎えたはさゆりは息を切らしていた。階段を急いで駆け上がってきたのだろう。
「送ってもらった」
「北川さん?」
「うん、一旦帰ってもらったから」
「ごめんね」
「ごめんじゃないから。何があった?悠樹でしょ?」
さゆりは1度も言葉を交わしたことのない彼を悠樹と呼び捨てで呼ぶ。その心理は理解していた。
部屋でベットに座りクッションを抱くと止まったと思った涙がまた当たり前のように流れた。さゆりに話すと思い出して余計に胸が痛くなった。
「悠樹とはもう終わりにして。お願いだから」
黙って私の話を聞いていたさゆりは話を聞き終わると涙ぐんで私を抱きしめた。
「うん」
さゆりに言われたからではない。私の心がもう限界だ。誰の言葉にも耳を貸さなかった末路がこの様だ。
彼からは何度も電話がかかってきた。もう話すことはない。でもこれでは無視し続けるという最低な彼と同じになってしまう。
思ったより早くさゆりは到着した。その間も涙が止まらなかった。彼が恋しいからではない。裏切られた悲しみと悔しさがどんどん溢れてくる。
本当は出会った時からずっと裏切られていたのだ。それが形としてはっきりと見えただけなのだ。
「どうやって来たの?」
玄関で迎えたはさゆりは息を切らしていた。階段を急いで駆け上がってきたのだろう。
「送ってもらった」
「北川さん?」
「うん、一旦帰ってもらったから」
「ごめんね」
「ごめんじゃないから。何があった?悠樹でしょ?」
さゆりは1度も言葉を交わしたことのない彼を悠樹と呼び捨てで呼ぶ。その心理は理解していた。
部屋でベットに座りクッションを抱くと止まったと思った涙がまた当たり前のように流れた。さゆりに話すと思い出して余計に胸が痛くなった。
「悠樹とはもう終わりにして。お願いだから」
黙って私の話を聞いていたさゆりは話を聞き終わると涙ぐんで私を抱きしめた。
「うん」
さゆりに言われたからではない。私の心がもう限界だ。誰の言葉にも耳を貸さなかった末路がこの様だ。
彼からは何度も電話がかかってきた。もう話すことはない。でもこれでは無視し続けるという最低な彼と同じになってしまう。
